ジオン注射の術後について

本ページでは、ジオン注射の術後について詳しくご説明いたします。ジオン注射の術前準備と術後の過ごし方、術後の注意点、術後の日常生活について解説しています。

日帰りの痔の治療「ジオン注射」を受けられる方には、家事やお仕事でお忙しい方が多くいらしゃいます。そのため、治療を受ける前には、ジオン注射の治療後の過ごし方や、術後の日常生活についてご質問いただくことがあります。

ぜひ本ページ「ジオン注射の術後について」をお役立ていただき、安心してジオン注射を受けていただきたいと思っています。

「ジオン注射」術後の様子

翌日の通院は不要!日常生活に戻れます

ジオン注射は、治療自体は30分程度で終了となります。術後はその日のうちに家に帰れ、翌日は通院不要です。生活に支障をきたすことなく痔を治せるので、お仕事などでなかなか通院の時間が取れないという方も、安心して治療が受けられます。

術後の痛み・腫れはほとんどありません

ジオン注射の術後に違和感や軽い痛みが出る方もいますが、数日で治ります。治療から1週間後に再度来院していただきますが、それまでに何か気になる症状がございましたらなんなりとご相談ください。当院は月曜~土曜まで毎日診療を行っておりますので、すぐに対応させていただきます。

術前準備と術後の過ごし方

良い治療、そして痔の治りを良くするためには、術前準備から術後の過ごし方がとても大切です。そのためにも、患者様のご都合に合わせて治療スケジュールを立てていきたいと考えております。お忙しい方もぜひお気軽にご相談ください。

前日まで

■ まずは診察を

ご来院いただきましたら、診断のうえ患者様と治療方針を決めていきます。ジオン注射を行うことになった場合は、治療日を決め、治療の流れや注意点についてご説明いたします。初めて当院へ来られたその日にジオン注射を行うことはありませんのでご安心ください。

■ 2日前~前日

術後の出血を防止するため、酸化マグネシウムという便を軟らかくする薬を毎食後服用してもらいます。アローゼンという下剤も併せて少量服用してもらう場合があります。

当日

■ 朝

朝食は軽く摂ってください。昼12時くらいまで、血糖を下げないようポカリスウェットなど糖分入りの水分をこまめに摂取してください。昼からの手術なので昼食は食べられません。自宅で排便を済ませ、午前10時前に来院してください。

■ ご来院後

血圧を測り、着替えをすませて少し休んでから治療を始めます。時間の目安としては、11時前後の開始となります。ジオン注射は、麻酔も含めて30分前後で終わります。手術が終わったら点滴をしながら横になり、1~2時間程度体を休めていただます。点滴が終わったら、歩いてお帰りいただけます。

■ ご帰宅後

夕食は軽めにしてください。術後の痛みは、人によって違和感や軽い痛みがある程度です。入浴はシャワー程度でお願いいたします。ご帰宅後に、ご自身で行う処置(ガーゼ交換など)はありません。なお2週間は、禁酒・運動制限とさせていただきます。

翌日からその後

■ 翌日

翌日の来院は不要です。治療当日に痛みや違和感があった方も、翌日にはほとんど消えています。食事、入浴、排便も普段通りできます。排便は痛みを怖がって我慢しないようにしましょう。日常生活は行っていただけますが、なるべく安静にお過ごしください。お仕事は内容にもよりますが、できればしない方が良いでしょう。特に、力仕事・体を冷やすこと・長時間同じ姿勢をとることは避けましょう。

■ 翌々日~1週間後

翌々日からは、お仕事も含めて普段通りの生活を送っていただいて大丈夫です。1週間後に、経過観察のためご受診ください。診察させていただき、状態に応じて注入軟膏をお出しします。出血がある方も、軟膏を1週間使用していただけば治まります。

術後の注意点

そのほか、ジオン注射をお考えの患者様にお伝えしておきたい事項です。ご不明点がございましたら、どんなことでもご相談ください。

■ 副作用について

ジオン注射の副作用を心配される方もいらっしゃいますが、当院で行った5000例以上のジオン注射治療の中で、重篤な副作用は一例も経験がありません。安心してご受診ください。

  • 治療後に感じる肛門付近の違和感、軽い痛みは翌日にはほとんど消失します。
  • アルミニウムの化合物を注入することに懸念を抱く方もいらっしゃいますが、ジオン注射後に十分な水分補給をすれば、ほぼ24時間以内に排泄されるので問題はありません。
  • 肛門部に違和感が出る方もいらっしゃいますが、数日でなくなります。肛門の投与部分が硬くなる場合も、自然に治っていきます。

■ その他注意点について

  • 当院では、ジオン注射後2週間は、禁酒・運動制限とさせて頂きます。痔の治りを良くするため、お願いしております。
  • 治療後も、治療前と同じような肛門に負担をかける生活習慣を続けていると、また新しい痔ができてしまいます。再発させないために、生活習慣の見直しが大切です。

術後の日常生活での注意点

再び痔にならないため、痔の悩みを抱えないためには、おしりに負担のかかる生活を改めることが、なによりも大切です。便秘や下痢を引き起こさない排便生活、お尻に負担を掛けない生活へと改善していきましょう。

規則正しい排便生活を身に付けていく!

1.便通を整えるために食物繊維や水分をしっかりと摂る

食物繊維は腸のぜん動運動を高め、便を排出しやすくします。食物繊維を多く含む食品を十分にとるようにしましょう。

また、乳酸菌を含むヨーグルトや納豆などの発酵食品、オリゴ糖などは腸内環境を整え、便秘を改善してくれます。日常の食事にどんどん取り入れるようにしましょう。

2.便意があったらトイレに行く

我慢は禁物です!

3.トイレに長居しない、いきむのは数分以内で

無理に出しきろうとしないでください。

4.下痢を防ぐためにアルコール類や香辛料は控える

香辛料は、消化されずにそのまま便にまじって排出されるため、肛門の粘膜を刺激します。アルコールのとりすぎは要注意です!

5.腸の働きをよくするために適度な運動をする

運動不足は、便秘の大きな原因になります。特に体力や筋力の低下が原因となる弛緩性便秘の場合は、腹筋などの運動は効果があります。おなかのマッサージも毎日の習慣にしましょう。

腹筋運動
肛門に圧力をかけて便を押し出すときには腹筋の力が必要です。また、腹筋が弱まると、排便する力が弱まり便秘になります。腹筋運動は、腹部の血行を促進して胃腸のはたらきを高め、自律神経にも作用して排便を促します。
全身運動
ウォーキング、水泳、ジョギング、ヨガなどの全身運動も、日本人に多い弛緩性便秘を改善します。全身運動を行うときは、物見遊山でのんびり歩いても効果は無いでしょう。うっすらと汗をかく程度の負荷をかけることで、腸の動きを含めた自律神経のバランス調整に役立ちます。

6.便秘の原因になる無理なダイエットはしない

極端に食事量を減らすと食物繊維や水分も不足してしまいます。また、腸を動かす胃結腸反射も抑制してしまいます。3食きちっと、決まった時間に摂る、バランスのとれた食生活を心がけましょう。

毎日の生活から、お尻への負担を減らしていく!

1.長時間同じ姿勢をとり続けない

立ちっぱなしや座りっぱなしの生活は、肛門へ負担かけます。こまめに休憩をとったり、姿勢を変えたり、軽く体操をするなどしてうっ血を防ぐように心がけましょう。

2.ストレスを避ける

腸はストレスの影響を受けやすいです。ストレスと便秘や下痢は密接な関係にあります。ストレスをためこまないことは、とても大事です。多少のストレスは誰にでもあるものですが、十分な休養をとり、ストレスを上手に発散する方法を、ぜひ身に付けていきましょう。

3.体を冷やさない

体の冷えは、血行を悪化させるもとです。肛門のうっ血を防ぐには、特に腰やおしりまわりを温めることが大切です。暖かい下着やカイロなどを利用して、冷えから体を守りましょう。