春は新年度の始まりとともに、健康を見直す良いタイミングです。通常の健康診断に加えて胃カメラ・大腸カメラによる内視鏡検査を受けることで、病気の早期発見・早期治療につながります。
「痛そう」「つらそう」といったイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、現在では鎮静剤などを使用し、リラックスした状態で内視鏡検査がうけられます。この機会にぜひ、定期的な内視鏡検査もご検討ください。
胃カメラ・大腸カメラは、なぜ必要?
「バリウム検査や検便も受けているから大丈夫」と思われる方も多いかもしれません。しかし、これらの検査だけでは初期の病変や出血していないポリープなどを見逃す可能性があります。

たとえば検便検査では、出血がない場合、早期のがんやポリープは見つからないことがあります。また、バリウム検査(X線)では、粘膜の異常やごく小さな病変を確認しづらいことがあります。
そのため、以下の年齢を目安に、内視鏡による定期的な検査が推奨されています。
- 胃カメラ(上部消化管内視鏡):40歳頃から
- 大腸カメラ(下部消化管内視鏡):50歳頃から
検査と同時に内視鏡的治療も可能です
大腸内視鏡検査では、万が一ポリープなどの病変が見つかった場合、その場で摘出する「内視鏡的治療」を行うことが可能です。がんの部位別死亡数(2023年)のデータによると、大腸がんは男性で2位、女性では1位となっています(出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計))。
大腸の病変は、胃に比べて放置するとがん化するリスクが高いとされており、早期の段階で取り除くことがとても重要です。こうした中、大腸ポリープは多くの場合、外来で日帰りの内視鏡的治療が行えます。検査と同時に早期治療まで行えるため、患者様の身体的なご負担も少なく済むケースが多くなっています。
また、症状がある方や、これまで定期的な検査を受けてこなかった方の中には、不安を抱えながら日々を過ごされている方も少なくありません。検査を受けて「異常がない」と分かることで、安心して気持ちよく毎日を過ごしていただけると思います。
胃がん・大腸がん以外にも、さまざまな病気の発見につながります
内視鏡検査は、がんの早期発見だけでなく、さまざまな病気の早期発見に役立ちます。そのため、下記のように、症状がある方はもちろん、症状がない方でも、年齢や生活背景によって内視鏡検査をおすすめする場合があります。
- 胃の痛み・もたれ・吐き気などが続く
- 便秘・下痢・血便など便通の異常がある
- 家族に胃がんや大腸がんの既往がある
- ストレスや生活習慣の乱れが多い など
内視鏡検査でわかるがん以外の病気
胃や腸の粘膜へのダメージ
慢性胃炎(ピロリ菌感染含む)、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、逆流性食道炎・食道炎、ポリープや粘膜の異常・機能性胃腸症・機能性ディスペプシア など
大腸カメラで発見できる病気
大腸ポリープ(がん化のリスクあり)、潰瘍性大腸炎・クローン病、虚血性腸炎、過敏性腸症候群の診断補助 など
鎮静下で安心して受けられる内視鏡検査
「内視鏡検査はつらそう」というイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、当院では、鎮静剤を使用し、眠っているような状態で検査を受けることも可能です。検査の前には、事前にご来院いただき、準備内容や注意点を丁寧にご説明いたします。
胃カメラ・大腸カメラをご希望の方へ
当院では、健康診断に加えて胃・大腸の内視鏡検査をご希望の方のご相談を承っております。症状がある方も、気になることがある方も、お気軽にご相談ください。初めての方でも安心して検査を受けられるように世田谷区の鶴町クリニックでは、皆さまの健康をしっかりサポートいたします。