アルコールを多く摂取した翌日にトイレで血便を見て驚いた経験はありませんか?アルコールの摂りすぎは痔を悪化させる原因の一つです。
また、アルコールも他の食べ物と同じように消化管を通って吸収・代謝されるため、胃や腸といった消化器全体にさまざまな影響を与えます。何か不安に思ったときは、一人で悩まずに、肛門科・消化器科へご相談ください。
アルコールが消化管に及ぼす影響
アルコールは胃で約20%、小腸で約80%が吸収され、肝臓で代謝されます。適量のアルコールであれば、食欲を高めたり消化酵素の分泌を促進したりするメリットもありますが、過剰に摂取すると以下のような影響を及ぼすことがあります。
胃や腸の粘膜へのダメージ
- 過剰なアルコールは胃酸の分泌を増やし、胃炎や胃潰瘍を引き起こす原因になります。
- 腸の働きが鈍り、便秘や下痢が起こりやすくなります。
血流の増加と炎症
- 血流が増えることで、消化管の炎症が悪化し、出血しやすくなります。
長期的リスク
- 長期間の多量摂取は、食道がんや大腸がんなどのリスクを高めます。
痔とアルコールの関係
アルコールの過剰摂取は、痔を悪化させる大きな原因のひとつです。特に痔核(いわゆる「いぼ痔」)をお持ちの方は、アルコールによる血流の増加により肛門周辺がうっ血しやすくなり、腫れや痛み、出血がひどくなることがあります。そのため、飲酒量に注意することが大切です。
血便を目にすると、多くの方が驚き、不安を感じることでしょう。しかし、痔が原因の場合、出血は比較的一般的な症状であり、ほとんどの場合はお薬の使用や生活習慣の見直しで改善することが可能です。
ただし、症状をそのままにしておくと、痔が悪化して痛みや出血が増え、治療に時間がかかる可能性があります。安心のためにもお早めに肛門科で診察を受けることをおすすめします。
肛門科での診察では、出血の原因を正確に診断し、症状に応じた治療法をご提案します。また、日常生活での注意点や習慣の改善についてもアドバイスを受けることができます。
血便の他の原因
血便の原因は痔だけではありません。以下のような病気が隠れている場合もあります。これらの疾患は、早期発見が治療の鍵となるため、血便が続く場合は医療機関へご相談ください。
- 大腸がん、大腸ポリープ:腸内の出血が血便として現れる。
- 潰瘍性大腸炎、クローン病:炎症性腸疾患による慢性的な出血。
- 感染性腸炎:細菌やウイルス感染による腸壁の損傷。
お酒を楽しみながら健康を守る方法
お酒を楽しむためには、次のポイントを意識しましょう。
適量を守る
- 体調や年齢、持病によって適量は異なります。ご自身の適量を把握し、無理をしないことが大切です。
水を飲む
- アルコールは脱水を引き起こすため、適宜水を摂取することで体への負担を軽減します。
定期的な健康チェック
- 特に消化管に影響が出やすいため、胃や大腸の検査を定期的に受けましょう。
気になる症状があればお早めに!
お酒を楽しむ方が健康を維持しながら過ごすためには、体調に異変を感じた際にすぐ行動することも重要です。血便やその他の症状があれば、迷わず一度、専門科へご相談ください。世田谷区の肛門科・消化器科「鶴町クリニック」では、症状に合わせた適切な診察と治療を行っています。