旅行中の下痢で困ったことはありませんか

過ごしやすい秋は、旅行を計画される方も多いことと思いますが、旅行中にお腹の具合が悪くなったという経験をされた方はいらっしゃいませんか。

旅行中のお腹の不具合は、食事内容の変化によるお腹の負担に加え、見知らぬ土地で過ごす不安なども関係しているようです。せっかくの楽しい旅が下痢で台無し…なんてことが起こらないように、ご心配な方は事前に医療機関でアドバイスを受けることもおすすめです。お気軽にご相談ください。

旅行中の下痢について

旅行中のお腹の不具合は、食事内容の変化によるお腹の負担に加え、見知らぬ土地で過ごす不安なども関係しているようです。また、海外など衛生環境が良くない地域を訪れた場合では、細菌・寄生虫などに感染しやすくなることもあります。

下痢を良く起こす方や、衛生状態や食事の不安がある地域に行く場合には、事前にかかりつけ医に相談し、アドバイスを受けたり、下痢止めを忘れず持って旅立つことをおすすめします。また、海外旅行などの場合には、旅行中に下痢をして、下痢止めを飲んで治ったとしても、帰国後はきちんと検査を受けるようにしましょう。

下痢の主な原因

下痢の主な原因は次のことがあげられます。原因を知って、事前にできる対策は行うようにしましょう。

食べ過ぎ・飲みすぎ

急性の下痢の原因として多いのが、食べ過ぎや飲みすぎです。特に、食べ過ぎた翌日に消化不良が原因で起こる下痢は「浸透圧性下痢」と呼ばれます。また、アルコール飲料の刺激によっても下痢になることがあります。通常、こうした下痢は1〜2日で治ることが多く、経験された方も多いかと思います。日頃から食べ過ぎや飲みすぎには注意しましょう。

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群は、検査で異常が見つからないのに下痢が続く病気です。慢性的な下痢の多くはこの病気が原因とされています。症状には、通勤や通学中の電車内、人と会う前などに突然の腹痛が起こり、トイレに行きたくなることが含まれます。この病気の症状を持つ人は、軽い症状の方も含めて人口の約1割以上とされています。

原因はまだ完全にはわかっていませんが、腸が過剰に敏感になり、食事や精神的ストレスによって腸のぜん動運動が過剰に活発になると考えられています。もしこのような症状を経験している、または心配な場合は、旅行前に薬を準備したり、旅行中のストレスを減らす工夫をすることをおすすめします。

食中毒や感染症

食中毒や感染症も急性の下痢の原因としてよく見られます。O-157やノロウイルスなどの細菌やウイルス、寄生虫が食べ物を通じて体内に入り、消化管で増殖して下痢を引き起こします。軽い場合は数日で治りますが、血便や吐き気、発熱、脱水などの症状が現れた場合には、抗生物質や点滴などによる迅速な治療が必要になることもあります。

そのほか

薬の副作用や慢性膵炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、虚血性腸炎、糖尿病の合併症なども、下痢の原因となることがあります。

下痢の薬について

下痢の薬にはいくつかのタイプがあります。医師が処方する薬には、以下のものがあります。

  • 腸のぜん動運動を抑える薬:腸の動きを抑えて下痢を和らげます。
  • 腸への刺激を抑える薬:腸の刺激を軽減して症状を和らげます。
  • 便の中の水分を吸収して便を固める薬:便の水分を吸収し、便を固めます。
  • 整腸薬:ビフィズス菌などの成分を含み、腸内環境を整えます。

これらの薬は、下痢の原因に応じて使い分けられますが、副作用に注意が必要です。特に効果が強い薬は、副作用のリスクが高まることがあります。

また、市販の「下痢止め」と呼ばれる薬も広く使われており、各家庭に常備されていることが多いです。市販薬にもいくつかのタイプがあり、中には医師が処方する薬と同じ成分が含まれているものもあります。市販薬を初めて使用する際は、必ず注意書きをよく読み、服用中に尿の出にくさや口の渇きなどの副作用が見られた場合は、服用を中止して医療機関を受診してください。

下痢に関するご心配ごとがある場合

下痢に関してご不安がある場合は、下痢の症状のほか、旅行中の予防策やお腹の調子を改善する方法についても、ぜひ医療機関にご相談ください。

東京都世田谷区の鶴町クリニックでは、内科、肛門科、大腸肛門科、肛門外科、胃腸科、消化器科として、お腹やお尻の不調に対して患者さんお一人おひとりに応じた診察を行っております。