年に1度の健診・検査を受けていますか

4月から新しい生活がスタートする方も多いのではないでしょうか。新生活の準備に向け、健康診断を久しぶりに受けて再検査となってしまったといった方はいませんか。

病気の予防や早期発見・治療のためには、健診や検査を自覚症状がないうちに受けることが大事です。定期的にご自身の体の状態をチェックし、必要に応じて生活習慣を見直すことで病気の予防ができます。ご自身の健康を守るために、ぜひ年に1度は特定健診やがん検診を受診しましょう。

特定健診で病気を予防する!

生活習慣病リスクの早期発見のため行う健診が「特定健診」となります。生活習慣病とは、偏った食生活や睡眠不足、運動不足、喫煙、ストレスなどの「健康的と言えない生活習慣」が関係している病気のことです。具体的には、がんや心臓病、脳卒中などが含まれます。

当然のことですが、すでにこれらの重篤な病気になってしまってからは、予防はできません。後遺症などが残ることもあります。そこで特定健診では、生活習慣病の前段階となるメタボリックシンドロームの視点から健診を行います。

検査の結果、メタボリックシンドロームにあてはまる方やそれに近い状態の方に対して、適切な情報提供、それから食事や運動などについての保健指導を行うことで、糖尿病や心臓・血管の病気の発症を減らすことを目指します。

検査項目は、問診、診察、身体計測、血圧測定、血液検査、尿検査、心電図、眼底検、胸部X線などとなりす。年に1度は検査を受け、早めに病気のリスクを見つけることで、生活習慣病や心血管疾患などの命に関わる病気の予防に取り組みましょう。

メタボリックシンドロームについて

メタボリックシンドロームは、生活習慣病の前段階を示すものです。お腹の周りの内臓に脂肪が蓄積した「内臓脂肪型肥満」に、血圧・空腹時血糖値・脂質(中性脂肪・HDLコレステロール)の基準のうちいずれか2つ以上があてはまると、メタボリックシンドロームと診断されます。

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドロームは、食事や運動を中心とした生活習慣の見直しによって改善を図ることができます。なかでも有酸素運動は、内臓脂肪の有意な減少が期待されるため、散歩や軽いジョギングなどは大変おすすめです。

メタボリックシンドロームの改善に取り組みことは、重篤な病気の予防につながります。「ただの食べ過ぎ」「ただの運動不足」などと軽視するのではなく、ご自身の健康状態を数値で確認して、正しい予防法に取り組んでほしいと思っています。

大腸がん検診で大腸がんを予防する!

大腸がんは、日本のがんによる死亡原因の上位に位置しており、罹患する人は40歳代から増加します。早期の大腸がんは自覚症状がないことが少なくありません。大腸がん検診も、自覚症状がないうちに受けることがとても大事です。

大腸がんを早期に発見するためには、各自治体で40歳以上を対象とした大腸がん検診や、人間ドック、会社の健診などで、便潜血検査が一般的に行われています。便潜血検査では、便の中に血液がまじっているかどうがを調べることによって、肉眼では分からない消化管からの出血の有無を検出します。

この検査は、食事制限の必要もなく、専用の容器に自分で便を採取して提出するだけです。比較的簡単で気軽に受けられる検査となっています。便潜血検査の陽性・陰性の結果だけで病気が診断できるわけではありませんが、大腸がんになった方の2分の1~4分の3ほどは、この検査で発見ができていると言われています。大腸がんの早期発見のために、積極的な便潜血検査をおすすめします。

その他のがん検診や健診について

がんは、日本人の2人に1人が生涯のうちに罹患すると言われており、誰でもがんに罹る可能性がある病気です。しかし、医療技術の進歩により、がん検診を定期的に受診し、早期発見・早期治療することにより、多くの方は助かることも分かっています。

区市町村が実施するがん検診は、国が推奨する検診項目、対象者、受診間隔等により実施しております。各区市町村が指定する検診会場や医療機関等で受診することができます。ぜひ、がん検診や健康診査をご活用いただき、健康づくりに取組んでいただければ幸いです。

当院でも、世田谷区の特定健診、大腸がん検診、胃がん健診はじめ、肺がん検診、前立腺がん検診、胃がんリスク(ABC)検診などを実施しております。対象の方は、ぜひ機会を逃さずご利用ください。