夏休み期間、生活習慣が異なり、食生活が乱れてしまったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。食生活の乱れによって、腸内環境が悪くなり、まず最初に症状として感じるのが「お腹の不調」だと思います。そしてそのお腹の不調は、下痢や便秘さらには、いぼ痔や切れ痔など、お尻のお悩みにもつながります。
これから徐々に過ごしやすい気候になると、生活習慣も食生活も見直ししやすいと思います。腸内環境を整えて、これからの秋の味覚、冬のイベントなど、楽しんでいただけたらと思います。
腸内環境が良いとは
そもそも腸内環境が良いとは、どんな状況のことを言うのでしょうか。人間の腸内には、細菌がおよそ1000種類、100兆個も生息していると言われています。この腸内の細菌には、体に良い影響を与える善玉菌と、悪い影響を与える悪玉菌、そのどちらでもない中間の菌と、大きく分けて3つで構成されています。腸内環境の良し悪しは、これらの3つのバランスで決まります。
図:腸内環境が良いイメージ
体の健康には、腸内にビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が占める割合を増やすことが重要となります。悪玉菌は、たんぱく質や脂質が中心の食事・不規則な生活・各種のストレス・便秘などが原因で腸内に増えていくのです。つまり一般に「腸内環境が良い」とは、善玉菌が悪玉菌よりも優勢に働いている状態を示しています。
腸内環境が体に与える影響とは
腸内環境が整っていると、体にはどんなメリットがあるのでしょうか。「腸内環境が悪い」つまり、悪玉菌が善玉菌よりも優勢になってしまうと、最初に起こる症状は、便秘や下痢です。そしてこの症状によって、さらに悪玉菌が増え、体にさまざまな不調が出やすくなります。腸内細菌は肥満、糖尿病、大腸がん、動脈硬化症、炎症性腸疾患などの疾患と密接な関係があり、これらの患者の腸内細菌は健常者と比べて著しく変化していることが知られています。
腸内環境が整っている「腸内環境が良い」と、悪玉菌の増殖を抑えて腸の運動を活発にしてくれます。健康な腸内環境は感染予防や発がん性物質生成の防止にも役立ちます。さらに、善玉菌は、ビタミンの産生や免疫機能の向上、血清コレステロールの低下させる効果も報告されています。
腸内環境を良くする食習慣のポイント
ここまでのお話からも分かる通り、腸内環境を良くするには、腸内に善玉菌の割合を多くすることです。善玉菌を増やすため、まずおすすめするのは、ビフィズス菌や乳酸菌を含むものを摂取することです。ヨーグルト・乳酸菌飲料・納豆・漬物などの食品に含まれています。生きた善玉菌である「プロバイオティクス」を直接摂取することができます。
また、腸内にもともと存在する善玉菌を増やす作用のある「プレバイオティクス」を摂取することもおすすめします。食品成分としてはオリゴ糖や食物繊維で、野菜類・果物類・豆類などに多く含まれています。
オリゴ糖は、大豆・たまねぎ・ごぼう・ねぎ・にんにく・アスパラガス・バナナなどの食品にも多く含まれていますので、これらの食材を食事に取り入れると良いでしょう。毎日の食事が、今の体調に、そして将来の健康にもつながります。1日1日できることから心がけてみてほしいと思います。