ピロリ菌に感染したほとんどの人に胃炎がおこります。ピロリ菌は除菌をしない限り、胃の中にすみ続けて慢性的炎症が続き、胃の粘膜を防御する力が低下していきます。また、慢性的に胃炎が起こることは、日常生活へもさまざまな影響があると思います。
胃もたれ、胃の痛み、胃の不快感などの症状を「ただの食べ過ぎ・胃に負担をかけたかな」などと思い込まずに、医療機関へご相談いただければと思います。
ピロリ菌に感染するとどうなる?
ピロリ菌の正式名称は、ヘリコバクター・ピロリです。胃の粘膜に生息しているらせん形をした細菌で、大きさは4ミクロンほどで、縦に並べると1cmの間に約2500個も入るくらいの小さな細菌です。先端からは、「べん毛」と呼ばれる細長いひげのようなものがついていて、グルグルと回転しながら活発に動きまわることができます。
このピロリ菌は、胃炎や胃潰瘍などのさまざまな胃の病気の原因であると言われています。最近では胃がんとの関わりも指摘されています。
具体的には、ピロリ菌が作り出す物質(アンモニアなど)が、胃の粘膜を傷つけて、胃粘膜生涯を引き起こすといわれています。その状況にストレスや塩分の多い食事などの環境因子が加わることで粘膜の防御機能が低下してしまいます。そうすると、胃酸が直接胃の粘膜を傷つけるようになり、胃潰瘍などを招いてしまうのです。
ピロリ菌は除菌した方が良いの?
胃潰瘍などについては、今ではお薬などで治療をすれば改善されていきます。しかし、その原因がピロリ菌である場合には、治療をやめると再び悪化してしまいます。胃のトラブルを根本的に解決するためにも、ピロリ菌の除菌がとても重要と言われているのです。
ピロリ菌の感染経路は、まだはっきりとは解っていませんが、ピロリ菌は幼年期に衛生環境が良くなかった年代に感染している人が多いと言われております。ご家族や兄弟姉妹の中でピロリ菌感染が発見された方は、ご自身もピロリ菌感染の可能性が考えられますので、早めに検査することをおすすめします。
また、ピロリ菌は、ほとんどが乳幼児に感染すると言われています。小さなお子様の胃の中は酸性が弱く、ピロリ菌が生きのびやすいためです。そのため、ピロリ菌に感染している大人から小さい子どもへの食べ物の口移しなどの行動にも注意が必要となります。
ピロリ菌感染による症状は?
ピロリ菌に感染したほとんどの人に胃炎がおこります。ピロリ菌は除菌をしない限り、胃の中にすみ続けて慢性的炎症が続き、胃の粘膜を防御する力が弱まっていきます。また、慢性的に胃炎が起こることは、日常生活へもさまざまな影響があると思います。
次のような症状を「ただの食べ過ぎ・胃に負担をかけたかな」や「ただの胃炎だろう」と思い込まず、まずは医療機関へご相談ください。
- 胃もたれ、胃の痛み
- 胃の不快感
- 胸焼け、吐き気
- 空腹時の痛み
- 食後の腹痛
- 食欲があまりない