男女別、痔になりやすい人

痔には大きくわけて3種類あります。男女や体質、生活習慣などによって、なりやすい痔の種類が異なります。いぼ痔が男女ともに、なりやすい痔ですが、切れ痔においては、女性の方が多いようです。また、痔ろうは、男性に多くみられる痔となります。体質や生活習慣などによって、なりやすい痔が違ってきます。それぞれの特徴や予防法を簡単にご説明したいと思います。

男女ともに多い痔「いぼ痔」について

いぼ痔になりやすいタイプは、肛門に負担をかけてしまう生活習慣を送ってしまっていることが多いです。例えば次のような方です。

  • 便秘になりやすい
  • 排便時に強くいきむ
  • 長時間座ったまま、立ったままでいることが多い
  • 辛いものをよく食べる
  • 出産中や出産後

職業や生活スタイルから、知らず知らずのうちに痔になりやすい生活を送っている方もいらっしゃると思います。心あたりのある方は、肛門に負担のかかならいように痔の予防法を試してみてください。

また、いぼ痔の方の多くは、薬や生活習慣の改善で症状が軽くなります。しかし、悪化すると手術になるケースもあります。気になる症状がある方、市販薬を使用しても、改善しないとお悩みの方がいらっしゃいましたら、一度お気軽に肛門科へご相談ください。

女性に多い痔「切れ痔」について

切れ痔の最大の原因は、便秘となります。便秘によって硬くなった便が、肛門を通過する際に肛門を傷つけてしまうこと等が原因で生じます。

女性は、ホルモンバランス、冷え、ダイエットや運動不足などが原因となり、男性よりも便秘になりやすくなります。そのため、切れ痔は女性に多く見られます。栄養バランスや、食物繊維の摂取を意識した食生活を心がけ、便秘予防に取り組むことがおすすめです。

男性に多い痔「痔ろう」について

痔ろうは、圧倒的に男性に多くみられる痔です。年齢では、男女ともに30~40代での発症が最も多いとされていますが、10代や60代、70代で発症することもあります。

痔ろうの前段階として、まず肛門周囲膿瘍(肛門周囲に膿がたまる)ができます。皮膚を破って膿が排出された後、直腸と肛門の皮膚がトンネル状につながってしまった状態が痔ろうです。抵抗力が落ちているときに、下痢などで細菌が入り込むことで起こります。

お仕事などのストレスから暴飲暴食をしてしまい、それによって生じる硬い便や下痢便は、肛門を傷つけたり、細菌感染を起こしやすくしたりします。やわらかい便については、くぼみに溜りやすいことから、下痢をしやすい方は、痔ろうの発症が多いとも言われています。痔ろうは、市販薬で治すことはできません。少しでもご心配な症状がある方は、ぜひお早めに肛門科へご相談ください。