胃がんの危険因子「塩分の摂り過ぎ」について

ダイエットなどの目的から糖質や脂質を控える方は多いようですが、塩分についてはあまり気にされていないといったケースが、特に若い方に多いように思います。しかし塩分の摂り過ぎは、胃がんの危険因子や、高血圧になる最大の原因とされています。胃がんの危険因子の1つ塩分について少しご説明したいと思います。

塩分で注意したい病気

まず食塩は、血圧に強く関係しております。食塩の摂取量が多いと血圧が上がります。高血圧によって、脳卒中や心筋梗塞のリスクを高めます。

また、食塩の摂り過ぎは腎結石や骨粗鬆症、胃がんなどの病気にも関係しています。胃の中で食塩の濃度が高まると粘膜がダメージを受けて、胃炎が発生し、発がん物質の影響を受けやすくなることが分かってきています。

気づかないうちに摂り過ぎている塩分

胃がんは、大腸がんに次いで日本人が多くかかるがんとされていますが、この原因には、ピロリ菌の感染者が多いことや、食事中の塩分量が多いことも大きな要因と推測されているのです。日本の伝統的な食事には、醤油や味噌などを使った、塩分が高い料理が多くあります。また、見落としがちですが、パンやおにぎりにも、塩分は含まれます。

日本人の1日あたりの平均塩分摂取量は、男性で11g、女性で9.3gと言われています(平成30年国民健康・栄養調査(20歳以上))。世界保健機構(WHO)の世界基準(目標量) 5.0g/日未満とされていますので、男女ともに塩分を摂り過ぎてしまう食生活が習慣になっていることが分かります。

胃がん予防のために

塩分の摂り過ぎに気を付けることは、胃がん予防そして、高血圧の予防と治療、脳卒中や心臓病などの循環器病の予防にもとても重要となります。がんや心臓病、脳卒中はいずれも生活習慣病に含まれますので、塩分の摂り過ぎを注意するとともに、バランスよく栄養をとる、適度な運動、十分な睡眠をとるなど、健康的な生活習慣を定着させることを心がけてほしいと思います。

また、胃がんは現代においては、早期発見・早期治療によって90%以上の人が治るといわれています。定期的な胃がん検診や、胃がんリスク(ABC)検査などもぜひご利用ください。世田谷区の胃がん(内視鏡)検診、胃がんリスク(ABC)検査は当院でも受診できます。