肛門疾患の日帰り手術後で最も注意すべきは、出血である。 術後出血といわれるものだ。 したがって、術後は便を軟らかくする薬を処方する。 息まなくてもスルッと出る感じに調整することが多い。
一方、痔瘻の場合は・・ 一転して、下痢が最も具合悪い。特に当院で行っているくり抜き法の場合は。 もちろん硬い便も良くないが、術直後に下痢をすると、治りが遅くなる。 痔瘻の場合、術後、傷が完全に癒えるまで最短でも1ヶ月はかかるが、下痢をすると、大幅に伸びる可能性がある。 したがって、痔瘻の術後は、便を固くしない薬を出すのはもちろんの事、その反対の作用を持つ下痢止めも渡しておく。この石橋を叩いて渡る慎重さが必要だ。
日頃、下痢はしない、と豪語する方でさえ、何故か術後にウイルス性の腸炎にかかって下痢をしたりする。 痔瘻の術後の患者さんが、診察室に入るとき 「下痢はしていませんね?」と 真っ先に聞いてしまう。