胃がんは、早期発見できれば治せるがんです
胃がんは、以前は日本人のがんによる死亡者数の中で第1位を占めていました。しかし、医療技術の進歩によって治癒率が格段に上がり、今や早期に発見して治療を行えば、治るがんだといわれています。
そのため、胃がんによる死亡者数は減っていますが、高齢化の影響などで患者数は増えています。そんな今だからこそ、早期発見につながる検診があらためて重要視されています。
胃がん検診は、なぜ必要?
初期は自覚症状がないので、発見が遅れてしまう
胃がんの初期症状には、胃の不快感や食欲不振、吐き気や嘔吐、体重減少などがあります。しかし、これらは「胃の調子が悪い」と感じる程度の症状のため、胃炎や胃潰瘍だと思って見過ごされてしまうことが多く、検査を受けない限りがんを見つけるのが難しいのです。
発見が遅れると、大きく下がる生存率
胃がんは、その進行度によってステージI、II、II、IVに分類されます。ステージIの段階で発見された場合の5年生存率は、95%以上と非常に高いですが、ステージが進むにつれ徐々に生存率は下がっていきます。
末期といわれるステージⅣで発見された場合、現代の医学で治すことは難しく、5年生存率は10%以下になります。発見の時期によって、ここまで生存率が変わってくるのです。
早期発見につながる検診が、何より大切
胃がんは、早期に発見できれば、かなり大きなものでも内視鏡で取りきれます。また、ステージⅡやステージⅢまで進行していても、通常は手術で切除できる可能性が高いといわれています。
胃がんによって命を落とさないためには、定期的に検診を受け、なるべく早い段階でがんを発見することが何よりも大切なのです。
誰もが、胃がんになる可能性を持っています
そんな胃がんの一番の原因は、生活習慣といわれています。喫煙や過度の飲酒、刺激の強い食べ物や塩分の摂り過ぎ、精神的なストレスの積み重ねが、胃に大きな負担をかけるのです。
特別な原因でないため、誰もが胃がんになる可能性を持っているともいえます。健康的な生活を心がけるとともに、検診を欠かさず受けましょう。
世田谷区の胃がん検診制度とは、検診費用の一部について、世田谷区からの助成が受けられる制度です。助成の対象者の方は、ぜひこの制度をご自身の健康管理にお役立てください。
助成の対象者はどんな人?
40歳以上の世田谷区民の方が対象です
対象年齢は、平成29年4月1日~平成30年3月31日に迎える年齢(平成30年3月31日現在の年齢)をさしています。
どこで検診を受けられる?
世田谷区内の検診実施機関で受診できます
もちろん当院も、検診実施機関となっております。
検査の方法は?
50歳以上の方はX線検査か胃内視鏡検査(胃カメラ)を選べます
問診に加えて、40歳以上の方はX線検査(レントゲン検査)、50歳以上の方は、X線検査か胃内視鏡検査のどちらか一方を選んで受けることが出来ます。
内視鏡検査は、口から内視鏡を挿入する経口内視鏡検査と、鼻から内視鏡を挿入する経鼻内視鏡検査のどちらかを選択できます。
- ■ 検査の費用
- ・X線検査:1,000円(自己負担額)
- ・内視鏡検査:1,500円(自己負担額)
胃の内視鏡検査は、通常3割負担で6,000円前後、自費診療で10,000円以上はかかります。ぜひ世田谷区の助成を利用してご受診ください。
※ 区の検診の対象外の検査・処置や病理検査などを行った場合には、別途自己負担費用がかかります。
- ■ 検査の時間
- 検査自体の時間は、X線検査も内視鏡検査も10分程度となります。
- ■ 検査の頻度
- X線検査:1年に1回
- 内視鏡検査:2年に1回
どうしたら受けられる?
- ■ 申込方法
- まずは、胃がん検診受付センターへお電話にてお申し込みください。お申込後に、ご案内と受診票が送付されますので、ご確認のうえ、検診実施機関のクリニックをご予約ください。
- なお、受診されるクリニックによっては、対象となる検査を扱っていない場合もございます。ご自身のご希望の検査ができるかどうかを確認のうえ、ご予約ください。
世田谷区胃がん検診受付センター
【TEL】 03-5787-8317
- ■ 受診できる期間
- 世田谷区WEBページでご確認ください
- ■ 検査当日の持ち物
- 受診票(がん検診整理番号のシールを貼付・記入してください)
- 健康保険証
- お薬手帳(服薬中・お持ちの方のみ)
- ■ 注意事項
- お勤め先等で胃がん検診が受けられる方は、検診の対象外となります。
- 胃疾患で通院中の方や、何らかの症状が出ている方は、医療機関にて診療をお受けください。
- 対象年齢の方でも、医師の判断によって受診をお控えいただく場合もございます。
内視鏡は鼻から・口からのどちらかを選べます!
当院では、口からスコープを挿入する「経口内視鏡検査」と、鼻から挿入する「経鼻内視鏡検査」のどちらも行っております。鼻からの検査の方が違和感が少ないと人気ですが、現在は、口からの検査も、挿入方法の改良により以前に比べて楽に受けられるようになっています。ご不明な点がございましたら、何でもお気軽にご相談ください。
年間約2000件の内視鏡検査の実績
当院では、胃カメラと大腸カメラあわせて、年間2000件程度の内視鏡検査を行っております。最新の設備と細やかな工夫で、患者さまにリラックスした状態で快適に検査を受けていただけるよう、日々努めております。安心してお任せください。
世田谷区の助成が受けられるその他の検診
当院は、胃がんだけでなく、世田谷区の大腸がん検診(便潜血検査)、肺がん検診、前立腺がん検診、胃がんリスク(ABC)検査の実施医療機関です。検査にはそれぞれ、実施期間や対象者の指定がありますので、当院のHPや世田谷区のHPでご確認のうえ、ぜひご受診ください。